【看護系小論文対策】EBMについて −用語解説と解答例−

こんにちは、社会人10年目から看護学生になった二児の母natsuです。
今回は小論文対策として、EBMについて用語解説をしていこうと思います。

医療系の用語は概念的なものも多く、イメージを掴むのが難しいことも多いので
小論文の解答例も挙げてわかりやすく解説していこうと思います!

 
natsu
EBMは現代の医療のベースになる考え方だよ
自分なりのイメージを持っておこう!

EBM(エビデンスに基づく医療)とは

EBMは「Evidence-Based Medicine」の略で、「エビデンスに基づく医療」の意味です。
研究データや論文などのエビデンス(根拠)に基づいて医療の方針をたてていく方法です。

EBMと逆の医療は、客観的な根拠ではなく医療者の経験や勘などに基づいて治療するものです。

 
natsu
そうなると、患者は医療者に言われるまま医療を受けることになり、
自分が受ける医療について知ったり自分の意思で選択したりすることが難しくなるよ

EBMのメリット

EBMを行うことで、下記のようなメリットがあります。

  • 有効な可能性が高い治療を行うことができる
  • 患者がどの病院にかかっても均一の質の医療が受けられる
  • 患者が自分が受ける医療について客観的に知ることができる
  • 患者が根拠に基づいて自分の医療を選択することができる

いずれも医療の質を高めたり、患者が主体的に医療に参加したりすることに役立ちます。

EBMのディスカッションポイント:論述のヒント

EBMに関するテーマの小論文をより深めて書くために、ディスカッションのポイントを挙げていきます。

最も良いエビデンスがある医療=その患者さんにとって最適な医療 とは限らない

エビデンスに基づいた医療を行う目的は「患者さんにとってより良い医療を提供すること」です。
エビデンスに基づいているからといってどんな医療をしてもよいわけではなく、その中から個々の患者さんに合った医療を選んでいく必要があります。

例えば、仕事や家事などで忙しい患者さんに、いくら効果が高いとはいえ毎日病院に通わなければならない治療をしてもらうことは難しいかもしれません。
その場合は、患者さんの負担が少なく確実に続けられる治療を選ぶ方が、その患者さんにとってはよい治療になります。

 
natsu
個々の患者さんに合った医療を選んでいくためには、
医療に関する知識だけでなく、コミュニケーション力も必要になるね

すべてのことにエビデンスが存在するわけではない

すこし学術的な視点からは、この世のすべてのことにエビデンスが存在するわけではないということも挙げられます。

たとえば最新の医療についてはまだエビデンスが出てきていないものもありますし、エビデンスが出てきやすい分野とそうでない分野もあります。
「エビデンスが無いということは、有効では無い」ということなのではなく、「有効かどうかまだわからない」ということになります。

 
natsu
エビデンスが無い医療の場合は、「エビデンスがまだ無いので詳しくはわかりません」と伝えることもEBMの一環であると考えられます。

小論文の解答例

EBMという概念をイメージしやすくするために、小論文の解答例を作成してみました。

想定課題:EBMについてあなたの考えを述べてください

 EBMとはエビデンスに基づく医療の意味で、研究データなどの科学的根拠に基づいて方針を決定していく医療のことである。EBMを行うことによって、有効である可能性が高い医療を提供できたり、患者が自分が受ける医療について客観的に知ることができたりするメリットが考えられる。EBMは現代において医療の根本ともなる考え方であるが、私はEBMを行う上で意識すべき点として、患者の個別性に合わせた医療を最優先にすべきであるという点を挙げたい。

 EBMのそもそもの目的は、患者にとってより良い医療を提供することであると考える。そのため、エビデンスに基づいている医療を行うことに注力するあまり、患者の生活スタイルや人生観を後回しにした医療を提供してはならない。例えば、いくら質の高いエビデンスが確立されている治療でも、頻回な受診が必要になるなどの理由で患者の社会生活に支障を与えてしまうようであれば、その患者にとって最適な医療であるとは考えにくい。また、特にターミナルケアの領域においては、少しでも有効性の高い医療を提供することよりも、患者の人生観や意思を尊重した医療を提供することが必要であると考える。
 上記のような観点から、私はEBMを実践できる知識を持つと共に、コミュニケーション力を併せ持つ医療者になりたいと考えている。その患者にとって最適な医療はどのようなものなのか判断するためには、患者の生活スタイルや人生観などを知る必要がある。また、患者の医療への参加や自己決定を促すためには、患者に適切に情報提供をする力も求められる。これらの実現のためには、患者とスムーズに意思疎通をするためのコミュニケーション力が不可欠である。

 EBMはエビデンスに基づいた医療であるが、エビデンスを活用したうえで個々の患者に最適な医療を選択することが重要であると考える。個々の患者に最適な医療の選択のためには、丁寧に患者の希望や考えを聴取し、相互に目線合わせをして考えをすり合わせていくことが必要である。知識と共にコミュニケーション力を身につけることが、真の意味でEBMを実践することであると考える。(863字)

コミュニケーション力って、便利な言葉だなぁ…

まとめ

今回はEBM(エビデンスに基づく医療)の解説でした。
概念的なものなので、ちょっとわかりにくいな〜と感じる方もいるかと思いますが、ぶっちゃけバッチリ理解できていなくても小論文は書けますので、「自分なりのイメージ」を持っておけばOKだと思います。

現代の医療の基本となる考え方なので、自分が病院にかかった時にどのように説明を受けるか意識してみるのも良いかもしれません。

 
natsu
まずは一回自分の言葉で書いてみよう!
がんばってね!
関連記事

こんにちは、社会人10年目から看護学生になった一児の母natsuです。今回は、看護系の小論文対策として時事問題や用語についてまとめていきたいと思います。前からまとめたいと思っていたんですよね! 世の中に看護系の小論文対策のための解説[…]